助けてくれ(2020春スキンケア覚書)

スキンケアなんもわからんたすけてくれ

書いている人のスペック ・アラサー
・落ち着き始めた脂性肌
・フェイスラインのにきび、毛穴の開き、角栓(ホワイトヘッド)、赤みが悩み

  1. クレンジング : 無印 マイルドオイルクレンジング
    1年ほどDHCのオイルクレンジングを使っていたんだけど、濡れた手で扱えないのと551の豚まんになってしまったかと思うあの匂いに疑問を感じて乗り換えた。安いのに雑に使っても落ちる。シャワー出してから首の日焼け止め落とし忘れたのに気付いても大丈夫。

  2. 洗顔
    ①ダヴ ボタニカルセレクション ポアビューティー 泡洗顔
    www.dove.com

洗顔料に最低限求めることは泡で出ることとそれなりのさっぱりさ。低価格でクリアしているのこれくらい?
水ですすぐと不快感残りやすいのでぬるま湯推奨。
もっといいやつに乗り換えたいが泡洗顔料自体が少ないので変えられない。

②明色 DETクリア ブライト&ピール フルーツ酵素パウダーウォッシュ
www.bihadashop.jp

洗顔で使うよりシャンプーやボディソープに混ぜる方が満足度高い。頭皮つるすべになるよ。
suisai様も手元にはあるんだけど風呂場に置けないので必然的に稼働率が高くなる。suisaiは週1を守らないと肌薄くなって死ぬなと思った。
気休めに3日に1回鼻を泡パックしているんだけど何も変わらねえ。フェイスラインには効く。

3.化粧水
3.1. プレ化粧水
エチュードハウス WONDER PORE(拭き取り化粧水)
www.etudehouse.com

倒れるだけで腹筋できそうだなって思って500mLの方買った。でかい。
ミントの清涼感が強めですっきりする。酢酸が入っているらしいが臭いはしない。耳の裏まで拭くのが好き。
とろみ0のシャバシャバ系なので拭き取りの力加減が難しい。

美人ぬか 純米ひきしめ水
store.bijin-nuka.com

こないだまで明色のスキンコンディショナーを使っていたのだけど、2本分使っていっこも毛穴引き締まらず後の化粧水も入らず肌がごわごわしてきたので乗り換えた。セラミドと米ぬかはわりと自分の肌に合うのでスキンケアのどこかには取り入れたく思っている。
エタノールが強めなのでこれからの季節合うかも。他の美人ぬかシリーズと同じ薄いオレンジの匂い。

イニスフリー グリーンティー ミスト
www.innisfree.jp

ラロッシュポゼのターマルウォーターみたいなので顔を濡らしたいな〜と思っていた矢先に見つけた。
適当に噴霧するだけで均等に潤うのでとても楽。言い換えれば指向性があまりないので顔に吹き付けているつもりがデコルテまで潤ってしまう。匂いは一昔前に流行った葉っぱ型の車の芳香剤。
プレ化粧水として優秀。重たい奴も受け入れてくれる上にボディはこれ1本で済む。

3.2. 化粧水 : 無印 クリアケア化粧水 高保湿
塗るカルボマー。無印さんどうした?ってくらい単体では潤わない化粧水。同ブランドの導入化粧水の使用が前提になっていると思う。
だからといってエタノールがふんだんに入った高保湿ではない方に手を出したくはないし、同価格帯でこれだけ匂いが好みなものも見つけられない。
プレ化粧水を使用して、トリガーノズルスプレーで噴霧後ハンドプレスorコットンにたっぷりつけて根気よくパッティングを行えばなんとかなる。

4.美容液 : 無印 クリアケア薬用アクネ美容液
クリアケアシリーズの良心。成分的にシリーズの謳い文句を背負えるのはこれしかいない。しかし若干高いぞ。
ジェル状のテクスチャで1プッシュでも楽に伸びる。頬にすら油田があるレベルの脂性肌だったら乳液代わりに使えると思う。

5.乳液 : 無印 クリアケア乳液
シリーズの良心その2。プチプラ価格帯で脂性肌向きでポンプノズル(が選べる)ってそんなに多くない。
つけた時の柑橘系の香りが好き。コットンで塗るともっとさっぱりして朝に良い。

6.クリーム : 無印 クリアケアクリーム
魔が差して買った。あっさりめで匂いは薄め。
あんまりにもインナードライインナードライって言葉が飛び交っていて美容師さんにも2回ほど言われたので保湿系増やして様子見たろと思っている。
10代の頃はこういうの顔に塗って寝ると翌朝一面の油田ができていたんだけど、今はTゾーンを避ければそんなこともないから歳を取ったし、扱いやすい肌になった。

7.スペシャルケア系
ロート製薬 メラノCCマスク
みんなが変な形変な形っていじめるからもっと変な形になっていない? 目の開口部が大きい気がする。
デイリーに使用中。フェイスラインのにきびに効くしさっぱりと潤う。

②明色 DETクリア ブライト&ピール ピーリングジェリー
www.bihadashop.jp

濡れた手で使える。どうしようもなくなった時に使う。
たまにむしゃくしゃして鼻からポロポロが出なくなるまで使うことがあるんだけど、終わった後鏡を見ると毛穴から白いにゅるにゅるが顔を出しているので嫌になる。毛穴の中に直接届いてほしいし、これの前にまず小人たちにウタマロせっけんとデッキブラシでプール掃除かのごとく徹底的に洗ってほしい。

イニスフリー スーパーヴォルカニックポアクレイマスク2X

www.innisfree.jp

良くて表面の黒ずみしか取れない。そんなにみんな黒ずみに悩んでいるの?黒ずみの奥には何もないの?本当かな?
クーリングとキメを整える効果はわからなくもない。1個使い切ってから再度きちんと評価をしたい。

水分を半端なく入れられて毛穴が引き締まってエイジングケアができるようなやつ教えてください。助けてくれ。

2019年をその時聞いていた曲で振り返る

 毎年この時期になると思うんですけど、自分は年間ベストディスクを選定できるほど音楽を聞いているわけではないんですよね。なのでパーソナルな切り口で年月と結びつけようかと思います。「この時こんな状況でこんな曲聞いてたなあ」という日記です。曲はApple musicのURL張ってます。


○1月

-Star Divine- フィナーレ

-Star Divine- フィナーレ

music.apple.com  卒業ってなに?????というテンションで毎日を過ごしていました。やらなければいけない実験とまとめなければいけないデータが山積みで、このクラックの山から何か理屈に沿った新規性を主張しなければいけないのに頭の悪さが邪魔をして悔しさとか無力感に包まれていました。
 レヴュースタァライト自体はいつだかの全話YouTube無料公開で見ました。自分の夢や大切な人と交わした約束のためにひたむきに努力する少女たちの姿がとても尊くて2周しました。大場ななさんの愛の重さめちゃめちゃすき。私も彼女たちの数万分の1でいいから真面目にやらないといけないな……と背筋を伸ばすために聞いていました。最初の頃は『歌劇』と言いながらみんなそこそこのアニメ声だったのに違和感はありましたが、歌は上手いし話も面白かったし、で気にならなくなりました。「あの星を摘んだら永遠の進捗を手に入れる」だのツイートしていたんですが永遠の進捗ってなんですか?????


○2月
POP/STARS (feat. Jaira Burns)

POP/STARS (feat. Jaira Burns)

  • K/DA, マディソン・ビアー & (G)I-DLE
  • K-Pop
  • ¥255
music.apple.com  前半、殺意みたいな感情を日々抱いていたような気がします。破壊欲求が内側にではなく外側に向くようになったのは進歩なのか退化なのかわからない。向け方の問題ではありますね。
 K-POP、曲の良さと顔面の良さで2回殴ってくるから卑怯なんだよな……。K-POPアイドルはダンスも歌も上手くて見た目も綺麗で、ちょっとヘソ出しの衣装着たらバキバキの腹筋が見えるような子たちばかりで努力が物を言う世界なんだなと思っています。(G)-IDOLはメンバーが超ハイクオリティな曲を書いているのが推しポイントです。そしてその子のラップがはちゃめちゃに上手い。ポップソングにおけるラップの重要性に気付かせてくれたのがK-POPです。それに言及しており、かつ、TWICEが好きでSIXTEENのこのシーンがたまらないという内容の9000字超の下書きが2年ほど眠っていますが、『Heart Shaker』以降全く追わなくなってしまった上に話題が古いので恐らく完成させることはないでしょう。


○3月
JUMP

JUMP

music.apple.com  「HEX」を頭から聞いて全曲卒業ソングじゃん!って言う遊びをしていました。『僕ら欲張りなんだ 呆れるくらい すべてが欲しい すべてを見たい 今の僕たちには悲しんでいる暇はないんだ』という歌詞を聞く度、新天地に行くのに妙な感傷はいらねえな、という気分にさせてくれます。確か卒業式の朝も聞いていました。
 「HEX」が良すぎてできる限りロットのライブに行くようにしたら11月のアルバム発売前に収録曲が歌える事態になりました。客が全く知らない曲を演奏するのを恐れずにがんがんやってくれる彼らは今が常に最強であると言外に伝えてくれているようで嬉しいです。
 ただの直感なので理由とかはないんですが、「HEX」に『skiffle song』が入っていないのと「けものたちの名前」に『VENOM〜天国と地獄〜』『SPEAK SILENCE』が入っていないの、同じくらいの違和感があるんですよね。ロットがこの2アルバムを混ぜてプレイリストを作るとしたらどんな曲順になるのか見てみたいです。


○4月
music.apple.com  くるりの歌詞はたまに聞き手を突き放すところがありますよね。絶望を伴う変化は極めて静かにやってくるのを示したのが『ばらの花』であると思います。その文脈はしっかりと『ソングライン』に受け継がれていて、安易な感情移入を許してはくれません。でも不安な僕らだって旅に出たいんだぜ。
 5月にライブに行きましたが『Tokyo OP』が圧巻でした。クリフ・アーモンドの場の支配力がすごい。岸田繁はライブでは声が出ないとか聞いていましたが、きれっきれのモッズリバイバル(原文ママ)で歌っていました。
 4月に自分が何をしていたのかほとんど覚えていなくて、カメラロールの中身と自分の言動に対する周囲の感想でおぼろげに輪郭を撫でています。新しいことばかりであたふたしていたのは間違いありません。


○5月
アルミニウム

アルミニウム

  • ROTH BART BARON
  • ロック
  • ¥150
music.apple.com  研修で2交代勤務が始まって、夜勤時に上手く寝付けなくて困っていました。今までもまんじりともせず朝を迎えることは月に1度程度ありましたが、眠れないでも気にしないでいられたのは(良くないこととは分かっていますが)多少の寝坊や居眠りができる環境にいたからで、それが許されなくなったために焦りがありました。
 寝付けない時にはお気に入りの穏やかな曲を1曲リピートするのが好きです。大抵は寝相でイヤホンが抜けたり、本格的に眠る前に再生停止ボタンを押したりして聞くのをやめていましたが、5月6月は短時間しか眠れなかったためか目を覚ますといきなり曲が聞こえてきて驚いたことが何回かありました。『アルミニウム』以外だとLOSTAGEの『楽園』やSt.Vincentの『New York』、The xxの『Islands』を選んでいました。
 乗っていた舟が壊れて海の底まで沈んでしまっても、『どうやって生きようか』と言うこの曲が好きです。


○6月
music.apple.com music.apple.com  眠れなさすぎて睡眠剤をたまに使っていました。寝つきはできましたがそれでも眠りは浅かったです。今でもお守り代わりに未開封で1箱隠し持っています。
 Bon Iverは前から気にはなっていて、新曲が出たと耳に挟んだので試しに聞いてみたら天才が作った曲でした。圧倒的なものに打ちのめされた体験を追憶させてくれます。Hey, Maは切々とした歌詞が、U(Man Like)はイントロのピアノと2番のコーラス部分が好きです。
 あとアジカンのライブ行ってやっぱり「ホームタウン」はいいアルバムだなあと思っていました。昼間は混合セトリプレイリスト聞いて過ごしていました。
‎ja_sssyの「Hometown tour」をApple Musicで
 もっと言うと推しが結婚(※概念)したりソロ曲出したりして情緒が忙しかったです。
R.B.E.

R.B.E.

music.apple.com


○7月
テキーラ!テキーラ!

テキーラ!テキーラ!

  • 髭 (HiGE)
  • J-Pop
  • ¥255
music.apple.com
 交代勤務が終わり都会に通うようになって体力的な余裕が出てきました。月に2回以上の頻度でライブを見るようになったのも7月からだと思います。そこから見に行ったライブ全部当たりの生活をしているのでとても運が良いですね。
 『ロックンロールと五人の囚人』しか知らない状態でストレイテナー目当てに対バンに行ったら、須藤さんのあまりのパフォーマンスの素敵さにすっかりやられてしまいました。自由奔放とはまさにこのこと。それを見た後にこの曲の『最終のバス停から次の夜明けまで』なんて繊細な表現を改めて味わって再度やられていました。聞く度に破壊的に踊り回りたくなります。同じ理由で『ボニー&クライド』も好きです。僕らに明日はない!


○8月
We Alright (Tokyo Mix)

We Alright (Tokyo Mix)

music.apple.com  通勤に飽き始めていました。どこかをぶらつきながら帰りたいけども1時間も遊んでいれば帰宅時間が2時間近く後ろにずれ込むので翌日がつらい。通勤自体は全行程座っていられるので体調と折り合いさえつけば一番好き勝手できていた頃かもしれません。
 ROTH BART BARON好きだな〜!という気持ちが高まっていたので、三船さん参加曲と知ってすぐ聞きました。圧倒的インテリジェンス。a flood of circle自体には爆発しているイメージがあったのでギャップに驚きました。大丈夫だよって誰かに言って欲しかった時期なので面白いくらいに救われていました。これきっかけでフラッドのライブに行ってメンバー全員のセクシーさに打ちのめされました。the pillowsとの対バンだったんですけどあのBlues Drive Monsterは威力高すぎて心臓に悪かった。ときめきすぎて止まるかと思いました。


○9月
夏が続くから

夏が続くから

music.apple.com
 全然夏が終わらない。溶けるかと思うくらい暑い。気温が30℃から下がらない。人間の形を保てて自分ほんとすごかったな。
 自分の所属する集団のレベルが自分のレベルなんて申しますけども、だとしたら自分はとんでもなく無能なんじゃないか?と考え込んでしまう出来事が立て続けに起きまして、今まで行ったあらゆる決定を後悔していました。「どうしてここに?」と自己紹介の度に聞かれていたんですけど、それ私が一番知りたいんですよね、どうしてこんなところにいるんでしょう?どっか壊れてるとこでもあるんですかね?
 9mmに戻ってこられたのはライブ観覧に誘ってくれた友人のおかげです。いくら感謝の言葉を捧げても足りません。一杯おごるよビールでいいね?(cv.ホ○エ○ツシ)
 私にとってこの曲は、残暑厳しい中久しぶりに帰った実家がプチリフォームしていた状態とすごくよく似ています。終わらない夏に軽くホームシックになったせいでしょうか。どんな編成になってもどんな曲も演奏しても9mmサウンドには実家のような安心感を覚えます。音楽活動をする原動力は10年前から同じものを同じ品質で注入し続けていて、かつ、表現技法は新しいものを拾って磨いている。芯がブレずに成長し続けているバンドです。そんなバンドに高校生で出会っていて幸せです。


○10月
My Favorite Song

My Favorite Song

music.apple.com  10月で本配属されて落ち着いたんですが、この直近2ヶ月間の記憶が面白いほどないです。まだ5月頃の方が鮮明に思い出せます。新しく覚えなければいけないことは格段に増えたので周囲の状況とか自分の心の機微に割く余裕がなかったのかなと思います。
 仕事を休んでNANA-IRO ELECTRICに行きました。当日の朝、自分の状況とエルレのMy Favorite Songが面白いくらいに合致していて煙草を初めて吸うなら今しかない!なんて思っていました。エルレを知ったのは中3の正月で、塾の冬季講習帰りに初売りで安くなっていたベスト盤を購入したのがきっかけです。パワーポップさに惚れ、歌詞の英語の発音を懸命に真似たりしていました。時期が時期だけに捻くれていたので捻くれたまま聞いていました。
 ナナイロ現場は青春をエルレに捧げた人ばかりがいて、会場を包み込むような彼らの思いの強さにエルレは全力で応えていました。生方さんが細美さんのコーラスをしてギターを弾いていた、その事実で胸が一杯です。


○11月
春の嵐

春の嵐

music.apple.com  全然寒くないのな。まだ秋の始まりが続いているようで、寒い寒いと言う同期の話に相槌を打ちながら上の空でした。
 待ちわびたロットの新譜、8月に聞いて気に入った曲はこの曲でした。MVがあの仕上がりなのが不思議で人に勧めづらいなあなんて我儘言ってます。本人たちにこの曲好きです、新譜待ってます、と直接言えたのに満足しています。


○12月
俺のすべて

俺のすべて

music.apple.com  アリーナ1階9列目でスピッツのライブを見てしまいました。近い!リーダーが目の前に転び出てきそう!
 ライブに向けてスピッツの曲はちまちま聞いてきましたが、この曲の冒頭にいつも後頭部を揺さぶられます。草野マサムネの『燃えるようなアバンチュール』……!?
 メロディも歌詞も技巧的なバンドってなかなか世の中にいないな、と10年以上思っていましたがそりゃスピッツってでっかい壁がいるならなかなか出て来られないよな。欲しいものは案外近くにあるって青い鳥ではないですが、来年は手近なものをしっかりこなしていく自分でありたいと思います。


最近と暮らし

 先月末、3日連続でライブに行った。初日the band apart、2日目THE NOVEMBERS、最終日9mm Parabellum Bulletで至れり尽くせりのラインナップだった。この接点がありそうでなさそうな3バンドだが、MCの題材がほとんど同じだったのに驚いた。どのバンドも『年をとる』ことについて言及していた。
 平均年齢が一番高くキャリアも長いバンアパはいぶし銀のMCだった。「『白髪が増えただの老眼だの言ってると更に老けるよ』って言うけど、白髪が増えたとか手元が見づらいなんて話題はおじさんの特権だ。若作りよりもどう年を重ねるかを大切にしたい」という意味のことを荒井さんが仰っていた。アンコール後、そのMCに感銘を受けたらしい木暮さんが褒めようとするも、内容をぼんやりとも覚えておらず会話が宙に浮いていたのも含めていぶし銀だった。
 ノベンバはうろ覚えの状態で文字に起こすと意味が変わってしまうくらいにナイーブなMCだった。『天使のピクニック』というライブ企画自体がデビュー当時と現在の自分たちを紐づけるためのもので、過去の自分が努力を怠っていたことやなかなかデビュー当時のビジュアルイメージから脱却できないことに対する怒りとやるせなさ、作ってきた曲やメンバーに対する誇りと愛情が入り混じったMCをしていた。私が最後にノベンバを見たのは2010年、恐らくアンプをフルテンにして決して音量を下げていなかった頃だったので、古く狭いライブハウスでは耳が辛かったように覚えている。今回ノベンバを見たライブハウスはその時のものより更に小さかったが、辛さを感じずに音に飲み込まれることができた。「多幸感のあるノイズ」なんて言い回しはよくあるが、その一例として挙げるのに相応しい音だった。過去と現状に妥協せずこれからも続けていくことをしっかりと示してくれた。
 9mmもフルでライブ聞いたのは2010年頃以来だがこの実家のような安心感はなんなんだろうか……。定番のキラーチューンを何曲も持っているからかもしれない。自身のアルバム名『DEEP BLUE』にちなんで、「これからも君たちとも混ざり合って深い青になる」ということを言っていた。無色透明なものでも幾重にも層を作っていくと青色になる。海が青いのはそのせいだ。散乱するような内容物のない人生でも9mmに重ねればその色の一助になれる。赤色のイメージが強いバンドが熟成の結果に青を選んだことがとても嬉しい。バンアパやノベンバとは違いはっきりと年を取ったとは明言しなかったが、その態度は2バンドと同じく積み重ねを尊ぶものであったと思う。

随想;OGRE YOU ASSHOLE『さわれないのに』を中心点として

 私が初めて聞いたOGRE YOU ASSHOLEのアルバムは「アルファベータ vs. ラムダ」だった。高校生の時、通学中にこのアルバムしか聞いていない時期があった。甘く舌ったらずの少年の声のようなボーカルに飛び道具と化したギター、メロディアスなベースにどことなくせわしないドラム。必要最低限の音で出汁をとったポップだと思っていた。その後「浮かれている人」を聞いて、自分が抱いたその印象に首を傾げざるをえなくなった。まだ耳が受け付けた『タンカティーラ』でさえ、変ににぎやかすぎて『コインランドリー』や『しらない合図しらせる子』と同じ温度で楽しめなかった。
 そんな調子だったので、大学生になっても「100年後」やら「homely」やら「ペーパークラフト」やら「confidential」に見向きもしなかった。「confidential」に至っては音源データが手元にあるのに関わらず、途中で寝るか耐え難くなるかで一度も通しで聞けた試しがない。だから、OGREのライブにはバンド自体が地元にあまり来てくれなかったのも相まってあまり行く気がしなかった。唯一行きたいと思ったのは結成10周年の記念ライブで『コインランドリー』をアルバムアレンジのままで演奏したと聞いた時だ。
 それなのに、今回の「新しい人」リリースツアーに行くことを早々に決めてしまっていた。キャパが550人の箱の公演のチケットを取って、整理番号は28番だった。自分にしては軽率と言ってしまっていいほどに早い決断だった。そうしたのはなぜか。

 『さわれないのに』を聞いてしまったからである。

 このブログにも幾度となく自分にとってのインターネットとはどのような概念で、時折どのような"存在"になるのかを書いてきたが、それを最も端的に表現したのが『さわれないのに』であると出だしの2行で確信してしまった。さわれないのに、すごくよく見える。さわりたいのに、ただただ見てるだけ。
 サウンドも「アルファベータ vs. ラムダ」の時に感じた必要最低限・骨と皮だけで出汁をとったポップさが、さらに塩分を薄くうまみを強くしていたので、このアレンジをするバンドが過去の曲をやったとしたらどのような味付けになるのか、今の自分にそれを感じるだけの鋭敏さなり尺度なりがあるのかが気になった。
 「新しい人」全体の感想としては公式の対談で出たワード以上のものが出なかった。自分なりに抱いていたもやもやとした思いがはっきりきっちり言語化されていた。少しだけ言い訳をすると、「100年後」すらまともに聞けなかった状態でも”日本のバンドで唯一無二のものを挙げよ”と問われたらOGREの名前を出すという発言がしっかり自分のSNSに残っていた。

ogreyouasshole.com

 ライブでは終始圧倒されていた。文字通り桁外れになった音圧をがっちりグルーヴが抱きかかえていて、だだっぴろいベッドの上で飛び跳ねているようなふわふわとした多幸感が耳から流し込まれる。ディスコに来たのかと勘違いするような支配感のあるリズムを出していた。MCはほぼなく、きっちり客を踊らせて即座に帰って行った。終演時間が20時台だったのでタイムマシーンにでも乗ったのかと現実を疑ってしまった。
 境目があるから自分がわかる、境目があるから他人だとわかることは正しく幸福なのだ、とその身をもって示してくれる稀有なバンドである。いつまでも浮遊してくれることを願っている。

三連休抄(19.10.12~14)

今月から意識しなければ3連休以上の休みが取れなくなったので、できる限りきちんと日記を書いておくことにする。

◯前夜(19.10.11夜)
風呂に入る気力がなく、仕事着を脱いだ状態で3時間近くiPhone越しに虚無を見る。もし今風邪をひいたとしたらこの悪癖のせいである。

◯1日目(19.10.12)
台風が来る。昨夜のうちから雨風吹きすさんでいたが、更に強くなり窓がガタガタ言う。
死力を尽くしてだらだらすることを誓い、Amazon primeで精神的に積んでいた映画を2本見た。映画館で見なくてよかったと心底思う出来で他事をしながらの暇つぶしにちょうどよかった。
食事の用意を完璧に忘れていたので、昼下がりの空腹をマルセイバターサンドでごまかす。百貨店の北海道物産展に足繁く通ったものの購入を見送っていたのだが、先週近所のスーパーが何故か六花亭フェアをやっており衝動的に買ってしまった。欲しくて買ったものを開封せずに床に転がしておく癖があるため、こういった形で役立つのはなかなか珍しいことである。
気圧変化に耐えられず19時前に入眠。翌1時頃起きてインターネットを2時間嗜み寝落ち。趣味にしているこの虚無はサーフィンと言うほど華麗でもないし、ダイビングと言うほど深層にいるわけでもない。深度的にはインターネットシュノーケリングあたりが落とし所だろう。シュノーケリングでも格好つけすぎているのでインターネットけのびがいいかな。12.5 mも世界が見えていればいい方である。

◯2日目(19.10.13)
快晴。シーツとまくらカバーを交換する。物干し竿ごと持っていかれそうに風が強いので、100均の洗濯バサミに期待と過負荷をかける。
なんとなく、程度の理由であいちトリエンナーレに行った。美術的素養がなければ解釈できないような難解な作品ばかりかと思っていたら全くそうではなかった。ニュースの出来事を卑近な出来事として置き換えて見ることができれば十二分に楽しめる。
『未来を開封する』はこの半年間実際に自分が真剣に向き合わなければならなかったことがテーマで、ペン先を手のひらに押し当てているような痛みを感じながら見た。物にもよるが見た目のラフさには反して作業服は拘束感のある衣服だ。個人的にはスーツより遥かに縛られている感覚がした。身体を規定していく労働はただつらいが、精神を規定していく労働は生きがいにもなり得る。もしホームの向こうで誰に対してでもなく手を挙げる女性を見かけたら手を振り返したい。周りの人間がしないことをするのが変態ではなく、もっと大きな集団においても前提として持ち得る道徳心に反するのが変態であると思う。
帰りがけに缶チューハイを買う。去年度は最もハイペースな時で3日に1度はしていた習慣だが、今年度は月に1度程度しかしていない。健康に目覚めたわけでもなく、ただ平日の帰り道で仕入れるのが格段に難しくなったのと、去年度より酔う必要がなくなっただけだ。

◯3日目(19.10.14)
小雨。駅まで歩く覚悟を決める。
あいちトリエンナーレ名古屋市内の会場を巡った。すし詰めとまではいかないが人が多く、開演前のライブハウスのあのにおいは人間のにおいだったのかと思い当たる。人臭いなどと鬼か悪魔かしか言わないような台詞が漏れかけた。
『Portrait of a woman passing by』で中央付近に置かれた花瓶と同じ柄のワンピースの女性が作品を見る私の真似をしていた。手を振っても応えてはくれなかったが、静かに、でも確実に私の後を追って最後は華麗に消えた。他の観客でこれに構う人がいなかったので、私だけが見た幻覚かと思ってしまった。
『Shoum』のセルビア人男性と同じように聞き取れない英語の歌詞をなんとか埋めようとした経験がある。そのように聞こえるからそのように書くしかないのだ。バベルの塔とはよく言ったもので、同じ機能を持つ道具であるのに初見の人間がそれらの互換性を任意に操ることが不可能である。
ほぼ全ての作品が撮影可能だった。作品の全体を撮るよりも気になる部分だけを上手く抜き出せるかどうかに自然と熱中していた。もっと細部を見たいのに近付けない作品もあり、とりあえず撮っておいた写真を拡大してみると新たな気づきがある。
『本当に存在する架空のジャンル』は"ascii doowop"が一番好みだった。"Turbo Social Racist Folk"の文字から来る圧よ。
『ラストワーズ/タイプトレース』10分で遺書を書けだなんて無茶振りの下でも自分の存在をどうにかして文字に変換したい人の執念がディスプレイに煌々と浮かび上がっていた。余りの思いに当てられて、36あるディスプレイの1つ2つしか注視できなかった。死を悟った状態での愛の告白は呪いだ。
名古屋市美術館愛知芸術文化センター→四間道と移動したが、文化センターの時点で大分疲れていた。人酔いに重たいテーマの展示を立て続けに見たせいで頭がぼーっとしていた。
インタラクティブ」──双方向性を主張する作品が多い割には観客側から作品に対して起こせるアクションはとても限られていたように思う。ぺたぺた触っていい作品がもっと欲しかった。自分と相手の入出力のサイクルを2回以上してこその'inter-active'で、現状では「人によって作品の解釈が異なる」のをただ見せつけられるだけなので名乗る意味もないのではないかと思う。二重スリット実験かなにかやっているのかと。
行こうと思い立ったのが会期終了間際で、ライブや演劇作品を見られず少々悔いは残っているが、また3年後遊びに行けたらと思っている。

夜、忙しい?

一昨日、「最近そんなに気分が落ち込まないです」なんて10年前から私の頭の中を良く知っている人に向かって言い切った手前、認めるのも気恥ずかしいが大変に死にたい。
自己嫌悪は体温より少し冷えた泥の沼で、これが針の筵ならばどれほど楽かと思っている。否定はいつだって私を甘やかしてくれた。
まだ時間あるでしょ、家で何しているの、とよく聞かれるが、私のしたいことは10年前から変わっていなくって、なにもしたくない。

電話をかける用事を4ヶ月放置していた。
期限が1ヶ月を切った今日にようやくかけて、頭が上がらないほどお世話になった方にまたご心配をかけてしまった。
今日かけたのも、期限がそろそろだからなんて理由じゃなくて、かかってきた保険の勧誘の電話を取ってしまった勢いだ。保険の電話は着信拒否をした。今死にたさを覚えている人間に積み立て式の生命保険が売れたらそれはそれですごいとは思う。

最近死にたくならなかったのは、自由にできるお金が増えて行動範囲が増えたから、そして、死にたい自分も自分だと加齢の厚顔無恥さによって受け入れられたから。
どこまでいっても苦しいのは自分で、それを救ってやれるのは自分で、見殺しにできるのも自分だけだ。
私のする行動のすべては私を苦しめる。大変にシンプルな呪いだ。
それでも私はしぶといので、自分の首を絞めきるその日まで元気でいると思う。できれば、そうあることも忘れるくらいに図々しくありますように、いたずらに私を苦しめる私だけを殺せますように。

アイコン脱いで見せてよ

加齢の特徴は羞恥心が薄まることにある。その場で共有されているかも分からない非明文の規範に従って縮こまっているよりも、自分の自由にした方がずっといいと思えてくる。何より自分がやりたいことは自分の中では明文だ。

4月から2ヶ月おきに初対面の集団の中に放り込まれていた。初対面の相手にまず何をするかと言えば自己紹介である。
私はこの自己紹介というやつが昔から苦手だった。考えれば考えるほど自分の中の矛盾した性質にフォーカスしてしまう。根暗だけどお祭りが好きだなんて、同じ嗜好を持つ人が何人いるのだろう。相手の思考と語彙に合うステータスと紹介方法が何なのかを見抜く力さえなかった。
それゆえか、私は親しくなった人にも言っていないことが山ほどある。もちろん秘密にしておきたいことの1つや2つ、誰にでもあるものだろう。だが、それが生活の大半を侵食していたのならば話は別だ。頑張って良く言ってもミステリアスな人である。

10代の頃、現実世界を生きる私とインターネット上で文章として存在する私は別物だと思っていた。現実で正しく聞き取る人のいない話をインターネットはlikeとフォロワーを以って迎え入れてくれた。根暗な祭り好きが大勢いた。
インターネット上に全てを書き散らしたわけでは無論ない。自分が住んでいる場所、女体を持つがゆえの月々の変化とその波及、周囲の人たちのうち何故か精神に荒波を立てていく人について。年齢や性別も明示はせず、一人称をぼやかした。私をこよなく愛して隅々まで読んでくれた人にだけそれらが分かるようにした。
アカウントを何度か乗り換え数を増減させて干支一回り。インターネット上のアイコンが人の形を持ったり、現実世界の知り合いや友人がインターネット上の人になったりした。リアルとネットの境目が薄くなる、パラダイムシフトに等しい出来事だ。
現実世界の私はインターネット文章上の私を、インターネット文章上の私は現実世界の私を「私ではない」と断じていた。今も昔も自己顕示欲は斜め上から見下ろすのが流行りで、それぞれの私がそれぞれの場所で他者の間に割って入って自分の場所を確保するのを、もう一方の私が唾棄すべきこととして見ていた。その場で受け入れられたいという素朴な願いが胸の内で存在することを認めるのが恥ずかしかった。
しかし、何度アカウントを変えても見つけて変わらず愛してくれる人がいること、足を運べば迎え入れてくれる場所があること、朴訥さと吃音のマリネのような話さえ聞いてくれる人がいることがこの12年間かけて骨身にゆっくり浸透していた。自分を受け入れる/受け入れられることを享受できるようになった。

加齢の特徴は羞恥心が薄まることにある。少女よりも中年女の方が近くなってようやく、自分のやりたいことを思いついた時にできるようになってきた。生きやすさが段違いである。
裏表がない、とまではいかないが、衒いがない方が楽だ。芝居がかりたい時のやり方だって知っている。
今は私が好ましく記憶を思い起こす人たちを大切にしたい。10代の私なら小っ恥ずかしがるような文面だが、そんな自分すら頭でも撫でてやりたい。

ねえ、これを見ているのなら、アイコン脱いで見せてよ。君の話ならなんでもいいから、聞かせてほしい。