2019年をその時聞いていた曲で振り返る

 毎年この時期になると思うんですけど、自分は年間ベストディスクを選定できるほど音楽を聞いているわけではないんですよね。なのでパーソナルな切り口で年月と結びつけようかと思います。「この時こんな状況でこんな曲聞いてたなあ」という日記です。曲はApple musicのURL張ってます。


○1月

-Star Divine- フィナーレ

-Star Divine- フィナーレ

music.apple.com  卒業ってなに?????というテンションで毎日を過ごしていました。やらなければいけない実験とまとめなければいけないデータが山積みで、このクラックの山から何か理屈に沿った新規性を主張しなければいけないのに頭の悪さが邪魔をして悔しさとか無力感に包まれていました。
 レヴュースタァライト自体はいつだかの全話YouTube無料公開で見ました。自分の夢や大切な人と交わした約束のためにひたむきに努力する少女たちの姿がとても尊くて2周しました。大場ななさんの愛の重さめちゃめちゃすき。私も彼女たちの数万分の1でいいから真面目にやらないといけないな……と背筋を伸ばすために聞いていました。最初の頃は『歌劇』と言いながらみんなそこそこのアニメ声だったのに違和感はありましたが、歌は上手いし話も面白かったし、で気にならなくなりました。「あの星を摘んだら永遠の進捗を手に入れる」だのツイートしていたんですが永遠の進捗ってなんですか?????


○2月
POP/STARS (feat. Jaira Burns)

POP/STARS (feat. Jaira Burns)

  • K/DA, マディソン・ビアー & (G)I-DLE
  • K-Pop
  • ¥255
music.apple.com  前半、殺意みたいな感情を日々抱いていたような気がします。破壊欲求が内側にではなく外側に向くようになったのは進歩なのか退化なのかわからない。向け方の問題ではありますね。
 K-POP、曲の良さと顔面の良さで2回殴ってくるから卑怯なんだよな……。K-POPアイドルはダンスも歌も上手くて見た目も綺麗で、ちょっとヘソ出しの衣装着たらバキバキの腹筋が見えるような子たちばかりで努力が物を言う世界なんだなと思っています。(G)-IDOLはメンバーが超ハイクオリティな曲を書いているのが推しポイントです。そしてその子のラップがはちゃめちゃに上手い。ポップソングにおけるラップの重要性に気付かせてくれたのがK-POPです。それに言及しており、かつ、TWICEが好きでSIXTEENのこのシーンがたまらないという内容の9000字超の下書きが2年ほど眠っていますが、『Heart Shaker』以降全く追わなくなってしまった上に話題が古いので恐らく完成させることはないでしょう。


○3月
JUMP

JUMP

music.apple.com  「HEX」を頭から聞いて全曲卒業ソングじゃん!って言う遊びをしていました。『僕ら欲張りなんだ 呆れるくらい すべてが欲しい すべてを見たい 今の僕たちには悲しんでいる暇はないんだ』という歌詞を聞く度、新天地に行くのに妙な感傷はいらねえな、という気分にさせてくれます。確か卒業式の朝も聞いていました。
 「HEX」が良すぎてできる限りロットのライブに行くようにしたら11月のアルバム発売前に収録曲が歌える事態になりました。客が全く知らない曲を演奏するのを恐れずにがんがんやってくれる彼らは今が常に最強であると言外に伝えてくれているようで嬉しいです。
 ただの直感なので理由とかはないんですが、「HEX」に『skiffle song』が入っていないのと「けものたちの名前」に『VENOM〜天国と地獄〜』『SPEAK SILENCE』が入っていないの、同じくらいの違和感があるんですよね。ロットがこの2アルバムを混ぜてプレイリストを作るとしたらどんな曲順になるのか見てみたいです。


○4月
music.apple.com  くるりの歌詞はたまに聞き手を突き放すところがありますよね。絶望を伴う変化は極めて静かにやってくるのを示したのが『ばらの花』であると思います。その文脈はしっかりと『ソングライン』に受け継がれていて、安易な感情移入を許してはくれません。でも不安な僕らだって旅に出たいんだぜ。
 5月にライブに行きましたが『Tokyo OP』が圧巻でした。クリフ・アーモンドの場の支配力がすごい。岸田繁はライブでは声が出ないとか聞いていましたが、きれっきれのモッズリバイバル(原文ママ)で歌っていました。
 4月に自分が何をしていたのかほとんど覚えていなくて、カメラロールの中身と自分の言動に対する周囲の感想でおぼろげに輪郭を撫でています。新しいことばかりであたふたしていたのは間違いありません。


○5月
アルミニウム

アルミニウム

  • ROTH BART BARON
  • ロック
  • ¥153
music.apple.com  研修で2交代勤務が始まって、夜勤時に上手く寝付けなくて困っていました。今までもまんじりともせず朝を迎えることは月に1度程度ありましたが、眠れないでも気にしないでいられたのは(良くないこととは分かっていますが)多少の寝坊や居眠りができる環境にいたからで、それが許されなくなったために焦りがありました。
 寝付けない時にはお気に入りの穏やかな曲を1曲リピートするのが好きです。大抵は寝相でイヤホンが抜けたり、本格的に眠る前に再生停止ボタンを押したりして聞くのをやめていましたが、5月6月は短時間しか眠れなかったためか目を覚ますといきなり曲が聞こえてきて驚いたことが何回かありました。『アルミニウム』以外だとLOSTAGEの『楽園』やSt.Vincentの『New York』、The xxの『Islands』を選んでいました。
 乗っていた舟が壊れて海の底まで沈んでしまっても、『どうやって生きようか』と言うこの曲が好きです。


○6月
https://music.apple.com/jp/album/hey-ma/1464784857?i=1464784858&at=10l8JW&ct=hatenablogmusic.apple.com https://music.apple.com/jp/album/u-man-like/1464784309?i=1464784314&at=10l8JW&ct=hatenablogmusic.apple.com  眠れなさすぎて睡眠剤をたまに使っていました。寝つきはできましたがそれでも眠りは浅かったです。今でもお守り代わりに未開封で1箱隠し持っています。
 Bon Iverは前から気にはなっていて、新曲が出たと耳に挟んだので試しに聞いてみたら天才が作った曲でした。圧倒的なものに打ちのめされた体験を追憶させてくれます。Hey, Maは切々とした歌詞が、U(Man Like)はイントロのピアノと2番のコーラス部分が好きです。
 あとアジカンのライブ行ってやっぱり「ホームタウン」はいいアルバムだなあと思っていました。昼間は混合セトリプレイリスト聞いて過ごしていました。
‎ja_sssyの「Hometown tour」をApple Musicで
 もっと言うと推しが結婚(※概念)したりソロ曲出したりして情緒が忙しかったです。
R.B.E.

R.B.E.

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○7月
テキーラ!テキーラ!

テキーラ!テキーラ!

  • 髭 (HiGE)
  • J-Pop
  • ¥255
music.apple.com
 交代勤務が終わり都会に通うようになって体力的な余裕が出てきました。月に2回以上の頻度でライブを見るようになったのも7月からだと思います。そこから見に行ったライブ全部当たりの生活をしているのでとても運が良いですね。
 『ロックンロールと五人の囚人』しか知らない状態でストレイテナー目当てに対バンに行ったら、須藤さんのあまりのパフォーマンスの素敵さにすっかりやられてしまいました。自由奔放とはまさにこのこと。それを見た後にこの曲の『最終のバス停から次の夜明けまで』なんて繊細な表現を改めて味わって再度やられていました。聞く度に破壊的に踊り回りたくなります。同じ理由で『ボニー&クライド』も好きです。僕らに明日はない!


○8月
We Alright (Tokyo Mix)

We Alright (Tokyo Mix)

music.apple.com  通勤に飽き始めていました。どこかをぶらつきながら帰りたいけども1時間も遊んでいれば帰宅時間が2時間近く後ろにずれ込むので翌日がつらい。通勤自体は全行程座っていられるので体調と折り合いさえつけば一番好き勝手できていた頃かもしれません。
 ROTH BART BARON好きだな〜!という気持ちが高まっていたので、三船さん参加曲と知ってすぐ聞きました。圧倒的インテリジェンス。a flood of circle自体には爆発しているイメージがあったのでギャップに驚きました。大丈夫だよって誰かに言って欲しかった時期なので面白いくらいに救われていました。これきっかけでフラッドのライブに行ってメンバー全員のセクシーさに打ちのめされました。the pillowsとの対バンだったんですけどあのBlues Drive Monsterは威力高すぎて心臓に悪かった。ときめきすぎて止まるかと思いました。


○9月
夏が続くから

夏が続くから

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 全然夏が終わらない。溶けるかと思うくらい暑い。気温が30℃から下がらない。人間の形を保てて自分ほんとすごかったな。
 自分の所属する集団のレベルが自分のレベルなんて申しますけども、だとしたら自分はとんでもなく無能なんじゃないか?と考え込んでしまう出来事が立て続けに起きまして、今まで行ったあらゆる決定を後悔していました。「どうしてここに?」と自己紹介の度に聞かれていたんですけど、それ私が一番知りたいんですよね、どうしてこんなところにいるんでしょう?どっか壊れてるとこでもあるんですかね?
 9mmに戻ってこられたのはライブ観覧に誘ってくれた友人のおかげです。いくら感謝の言葉を捧げても足りません。一杯おごるよビールでいいね?(cv.ホ○エ○ツシ)
 私にとってこの曲は、残暑厳しい中久しぶりに帰った実家がプチリフォームしていた状態とすごくよく似ています。終わらない夏に軽くホームシックになったせいでしょうか。どんな編成になってもどんな曲も演奏しても9mmサウンドには実家のような安心感を覚えます。音楽活動をする原動力は10年前から同じものを同じ品質で注入し続けていて、かつ、表現技法は新しいものを拾って磨いている。芯がブレずに成長し続けているバンドです。そんなバンドに高校生で出会っていて幸せです。


○10月
My Favorite Song

My Favorite Song

music.apple.com  10月で本配属されて落ち着いたんですが、この直近2ヶ月間の記憶が面白いほどないです。まだ5月頃の方が鮮明に思い出せます。新しく覚えなければいけないことは格段に増えたので周囲の状況とか自分の心の機微に割く余裕がなかったのかなと思います。
 仕事を休んでNANA-IRO ELECTRICに行きました。当日の朝、自分の状況とエルレのMy Favorite Songが面白いくらいに合致していて煙草を初めて吸うなら今しかない!なんて思っていました。エルレを知ったのは中3の正月で、塾の冬季講習帰りに初売りで安くなっていたベスト盤を購入したのがきっかけです。パワーポップさに惚れ、歌詞の英語の発音を懸命に真似たりしていました。時期が時期だけに捻くれていたので捻くれたまま聞いていました。
 ナナイロ現場は青春をエルレに捧げた人ばかりがいて、会場を包み込むような彼らの思いの強さにエルレは全力で応えていました。生方さんが細美さんのコーラスをしてギターを弾いていた、その事実で胸が一杯です。


○11月
春の嵐

春の嵐

music.apple.com  全然寒くないのな。まだ秋の始まりが続いているようで、寒い寒いと言う同期の話に相槌を打ちながら上の空でした。
 待ちわびたロットの新譜、8月に聞いて気に入った曲はこの曲でした。MVがあの仕上がりなのが不思議で人に勧めづらいなあなんて我儘言ってます。本人たちにこの曲好きです、新譜待ってます、と直接言えたのに満足しています。


○12月
https://music.apple.com/jp/album/%E4%BF%BA%E3%81%AE%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6/1440786470?i=1440786914&at=10l8JW&ct=hatenablogmusic.apple.com  アリーナ1階9列目でスピッツのライブを見てしまいました。近い!リーダーが目の前に転び出てきそう!
 ライブに向けてスピッツの曲はちまちま聞いてきましたが、この曲の冒頭にいつも後頭部を揺さぶられます。草野マサムネの『燃えるようなアバンチュール』……!?
 メロディも歌詞も技巧的なバンドってなかなか世の中にいないな、と10年以上思っていましたがそりゃスピッツってでっかい壁がいるならなかなか出て来られないよな。欲しいものは案外近くにあるって青い鳥ではないですが、来年は手近なものをしっかりこなしていく自分でありたいと思います。