日記

性懲りもなく新しいノートを買った。自分で自由にできるお金を手にしてからというもの、使い手がなくても文房具が欲しくなる性分に困っている。
随分前にTwitterかどこかで見た、薄いクリーム色の紙に判子で日付を押して1日1枚日記代わりの絵を描いて写真で上げているのが無性に羨ましく、それから1日1枚で使ってちょうどよいノートを探していた。今日無印良品で買った文庫版のノートは日記として使うつもりだ。そもそも日記というものを続けられた試しはなく、中学の時、帰りの会で書く時間が設けられていた一言ノート程度でも毎日書いていたかどうかは怪しい。だがそんな文章でも数年後に母親に読み返されて「面白い」と言われたのだから、些細な事でも書き留められたら後の自分にとってよい暇つぶしになるかもしれない。

フラワーカンパニーの深夜高速という曲をつい40分前まで聞いたことがなかった。聞いたことがあっても曲名と結びついていなかっただろうし、ここでのネタにしようと先ほど聞いたが全く覚えのない曲だった。無理に曲名に合わせて喩えるなら、バイクか何かで1人で夜の東名あたりを走っているような曲だった。ネクスコになってからSAにしょうもない施設ばかり増えたが、それよりかはずっと昔にできたこの曲は雰囲気に意外と合っているのかもしれない。この曲は何から逃げたいのだろうか。
午前3時の東北道は意識を覚醒ではない状態に押し込めようとする暗闇が迫って、対向車のハイビームが時折虚ろな視界を撃つ。自分の内の何かが何百メートル、何キロメートル後ろでひきずられるようにひたひたとついてくる。決してディストーションギターが似合うような空間ではなく、胃が空気で膨れるような気怠さが支配している。私が高速に乗るときは毎回、時間の流れから逃げていた。