2015年ベストディスク

この時期になると数多の音楽雑誌やサイトやライターが今年のベストディスク50選!!とかやってて、ええなあと長年思ってたのでやります。ただね、ぼくが今年購入しかつ今年発売のCDって3枚しかないんですわ。しかもうち1枚は未聴、もう1枚は知り合いのバンドの自主製作盤(これも未聴)なんですわー。そらもうエセ関西弁にもなるってもんですよ。

というわけで、今年発売のある1枚のCDについて書きます。

Cosmo Sheldrake / Pelicans We

ペリカンズ・ウィーEP(完全生産限定盤)

ペリカンズ・ウィーEP(完全生産限定盤)

今年のくるり主催フェス京都音博で初来日したコスモ・シェルドレイクのミニアルバムの日本盤ですね。彼を知ったのはみんな大好きPublic Rhythmの記事だったかと思います。というかこのブログ探せば経緯書いていそう。まずアー写を見て、意識がひきつけられたんですよね。そのアー写がこちらです。

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グーグル画像検索してトップの結果を貼りつけているのはご愛敬。この写真だったんです。諸事情でバンジョーの弦の数にうるさい人間になってしまったんですが、コスモが持っているのは5弦バンジョーですね。ケルト系音楽は4弦バンジョーというイメージが強かったので、地理的にケルト系音楽の影響下にあるであろうイギリスの人がアメリカのカントリーやブルーグラスで使用されている5弦バンジョーを抱えていること自体に興味をひかれました。他にもアコーディオンやらマンドリンやらリゾネーターギターやらトロンボーンやらあって1人でこれをどう扱うんや……と気になって、Pelicans We(曲名、本アルバム収録)のPV見たんですよね。あのブタペストの温泉で撮ったやつ。散々そこかしこにYoutubeのURL貼った気がするのでもう貼りませんが、PV見終わった後、

おまえその楽器どこやったん

ってなりました。言葉はめちゃくちゃ足りませんが断じて悪口ではありません。確かにアルバムPelicans Weでバンジョーが使われているのはThe Moss1曲のみですが、全ての曲においてインストゥルメンタル部分は様々な楽器やフィールドレコーディングで集められたサウンドが精巧な飴細工のように絡み合い組み立てられています。しかし、彼の持ち味は複数の楽器を操る能力があることではなく、ボーカルにあると言いたい。彼の真髄が詰まった動画を貼ります。


Cosmo Sheldrake - Barbara Allen

Barbara Allenという曲自体はスコットランド民謡で、これとはメロディーが全く違いますがアート・ガーファンクルもカバーしている歌です。主旋律を歌った直後にその下コーラスを歌ったりボイパ入れたり途中マイク外して歌ったり、それがもうかっこいいんですが、聞いてほしいのはループステーションから流れている彼の歌です。アカペラという形態をとらなければ通常はなにがしかの楽器が担当する部分です。その部分の展開の仕方が、楽器を使用している彼の他のオリジナルや民謡カバーと全く変わらないんですよね。音程が急落急昇しないどこまでも歌いやすいオケなんです。なのでヨーロッパ系の音楽で耳が育っていない人間にとっても懐かしく安心感があるように聴こえます。
また自分にとってポイントが高い点は、The Moss, Solarなど歌詞を詩人の作品から引用している曲が多いところです。風呂でライブもそうなんですけど、特に理由はなくいつかやりたいなと思っていたところを的確に押さえられたので一瞬ではまったのかもしれません。
このアルバムの中で一番好きな曲はRichです。メインメロディーはとてもキャッチ―でボーカリストの声も可愛いんですが、CD版PV版ライブ版でアレンジが一番変わる曲だと思います。CD版だとクラップの入り方が好きです。
すっごい個人的な話すると普段ライナーノーツが付いているようなCD買わないので比較はできませんが、日本盤ライナーノーツはとてもシンプルでいい文章だと思います。少なくともこの記事より分かりやすいですね……。

唯一聞いた今年発売のCDが大当たりでした、という話でした。