せめて30代で成長が止まって死ぬ間際に一気に老けて死にたい

「楽器が恋人」に言葉の綾以上の意味を持たせようとするの、本当に意味が分からない。
恋人がいると連絡を取り合ったり相手のために何か用意したり実際に会ったりするのにある程度の時間を使うが、その時間をまるまま楽器の練習に費やそうなど狂気の沙汰としか思えない。期日までに仕上げなければならない物事がある場合、残された時間とこなすべき作業量と単位時間あたりに実際自分ができる作業量を考えてそれにどれくらい時間を割いて他の物事はどれくらい我慢しなければいけないかを考えるが、楽器演奏の上達という中長期的目標にそれを適用してしまうのはアマチュアの世界で長くやっていくには不適当な考え方なのではないか。あまりに他のことを我慢する期間が長すぎる。プロを目指すなら「演奏の上達」なんてぼやっとした目標掲げてないで今月はどれだけ自分を売り込んでどれだけライブやってどれだけお客さんを呼ぶかとか戦略的なこと考えていたほうがなりたいものになりやすくなると思う。そもそも恋人がいないハイロンサムな時間の何分の一を楽器演奏の上達に捧げていますか???
ギターなんて得体の知れないものを恋人にするなんて真っ平ごめんだが、人間にしたって得体の知れなさは変わらないかもしれない。恋愛中の人間は脳内麻薬がめっちゃ出るのと1人以上の他人を好きに振り回せるのが羨ましい。
友人から恋人の話を聞くのは、その友人が今とても幸せであることがこの上なく的確に伝わってきてこちらも嬉しくなれるので好きだし、知り合い程度の人がホルモンに振り回されているのかなんなのか恋愛において奇行を繰り返しているのを聞くのは安めのアルコールで流すのに最適な話題だ。なぜ同性の人たちは隙あらば「好きな人いる?」とか聞いてくるのか長年不思議だったが、氷解しつつある。
今の自分はどちらかと言えば男性が好きで、どちらかと言えば恋人はいらない。ただ恋愛中のあの万能感を獲得したくてたまらないので恋に恋をしているのかもしれない。

高校時代からやり直したいことは多いけれど、自分が自由にできるお金の額が大きくなったからそんなこと言えるんだと思っている。せめてもの抵抗に、コンビニで売ってる500mlのリプトンやコーヒー牛乳をよく飲む。通っていた高校ではそういう紙パックが教室や廊下によく転がっていた。
若いうちじゃないと体が動かなくなってくるのだと思うけど、現時点で身体ほど不随意なものはない。やはり筋肉がいる……